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花柄のこと

花柄の生地が好きです。
小さな花が布いっぱいに広がった可憐な生地も、
存在感のある大きな花柄が描かれた華やかな生地も。
色は、赤、青、紫、茶、黄色、なんでも使いますが
ビビッドな色よりは、ちょっとやわらかな感じの
お菓子でたとえると、マカロンの色のような
かわいらしい発色のものが好きです。

トートバッグなどの大きなバッグは、しっかり自立させるために
帆布やヨーロッパのインテリアファブリックなど
厚みのある、織りのしっかりした素材のものに、
厚手の芯地を貼ってつくることが多いのですが、
小さめのバッグ、カバンにくるくる丸めて入れるようなエコバッグは
木綿などの薄手〜中厚手の生地を好んで使っています。
ふんわりとした質感のバッグは軽くてやわらかいので、
小さく折りたたんで簡単に持ち運べます。
そんな気軽さが普段使いにちょうどよくて、いくつもつくりたくなります。
旅行の際にスーツケースに入れて持って行っても、
なにかと重宝するので、おすすめです。

いちばん多く使っている素材は、
綿のやわらかさと麻の風合い・丈夫さを併せ持つ、綿麻生地です。
もちろん、綿100%の生地や麻100%の生地も、たくさん使っています。
化繊のものは、ほとんど使っていません。
輸入生地などでは、ときどきポリエステル混などもありますが、
その場合、綿の割合が多いものをなるべく使うようにしています。
「自然なもののほうがいい」と考えて、そうなったというよりも
手触りや風合いの好きなものを選んでいったら、いつのまにか
自然素材のものばかり使うようになっていた、という感じです。

お洗濯やお手入れの際に困らないように、
できる限り、商品欄に素材の詳細を明記したいと思っていますが
なかには表示の不明な生地もあって、素材を表記できないこともあります。
でも、なるべく、そのようなことがないようにしたいと考えています。

メーカーさんでいうと、日本製のものではYUWA(有輪商店)やルシアン、
イギリスのリバティ、PT社、フランスのストフ、スペインのB&C、
アメリカのモダやマイケルミラー社の生地を好んで使っています。
日本のメーカーでは有輪さんのものがいちばん多いかもしれません。
上品で美しい柄が多いので、見ているだけでわくわくしてきます。




リバティプリントのこと

花柄の生地の中でも、とくにリバティプリントが大好きです。

ひと目でリバティ社のものだとわかる、定番の柄もあれば
さまざまなデザイナーさんや、キャラクターとのコラボ生地まで、
柄の種類は、とても多岐に渡り、
それらの中から、好みに合ったものをひとつひとつ選んでいく時間は
なんともいえない、楽しいひとときです。

リバティのコットンは、綿100%なのにシルクのような光沢があり
なめらかな手触りで、薄く緊密に織られていて、
プリントが抜群に鮮明で美しいのが特徴です。

品質がいいぶんお値段もはりますが
本当に小さな端切れまで、大切に大切に使うようにしているので、
無駄なく活かせて、むしろ、いいのかもしれません。
大きな端切れは、バッグの裏地や帽子の裏地、コースターなどに。
小さな端切れは、パッチワークして一枚の布に生まれ変わらせたり
洋服の縁取りに使ったり、くるみボタンにしたり。
どんなに小さな端切れになっても、鮮やかな存在感を放つところに
リバティの「力」を感じます。

ロンドンのリバティ百貨店で、古い木造の建物の中、
端から端までびっしりと整列した生地を目にしたときの、あの衝撃。
さまざまなデザインに生まれ変わった小物たちを見て、
わくわくと胸躍った、あの気持ち。
リバティプリントを手にするたびに蘇るその感動が
ほんの少しでも、誰かに伝わったらいいなぁ、と
そんなことを思いながら、今日もミシンの前に座っています。

フランス・ストフ社の生地のこと

雑貨づくりをはじめてから、いちばん購入しているのが
実は、フランスのストフ社の生地です。
ストフ社はリヨン郊外に会社を構える、
カーテン生地やインテリアファブリックの繊維会社で
日本にはあまりない、印象的で華やかなプリント生地が揃っています。

花柄、動物柄、人物、マリンモチーフ、ストライプやドットなどのパターン。
生地の品揃えはとても多彩ですが、なかでも惹かれるのは、
絵画風タッチのプリント生地です。

まるで、いまキャンバスに油絵を描いたかのような
生きた筆づかいを感じる、鮮やかなプリントは、
どんな小物をつくっても、とても存在感があって人目を引きます。
手にとっていただいた方に「手描きなの?」と質問されることも、しばしば。

地の生地は、綿や麻の色をそのまま生かしたような
ナチュラルな生成りや白が多いのですが、
そこに描かれた花や動物は、カラフルでとても鮮やか。
その素朴さと華やかさのバランスが絶妙で、品物にしたときに
派手すぎず地味すぎず、ちょうどいい雰囲気に仕上がります。
花柄だけでも、ラナンキュラス、あじさい、カーネーション、
つるバラ、コスモスなど、どのプリントも本当に素敵で
全部ほしくなってしまうほど。
だから生地を選ぶときには、問屋さんの棚の前で
かなり長い時間、悩んでしまうのが常です。

ストフ社では、同じプリントをあまり量産しないことが多いので
「気に入った柄があったら、その場で買ったほうがいいよ」
と問屋さんに伺いました。なので、生地の在庫も、いつもまちまち。
お気に入りを見つけたら、即購入、が鉄則のようです。




USAコットンのこと

最近、おもしろいなと思うのがUSAコットンです。
ちょっとレトロな色柄の、かわいいプリントをよく見かけます。
以前ロンドンの小さな生地屋さんで、
かわいい!と見つけたのが左の生地です。
イギリスに行ったのに、目に留まったのはアメリカの生地、
というのは、少し間が抜けた話ですが
ともかく、日本の生地屋さんでははあまり手に入らないので
この機会に、いろいろと買い揃えてきました。
色とりどりのアイスやパフェがプリントされた生地や
こどもが描かれた生地、動物の生地、
どれも、外国ならではのデザインです。
マイケルミラー、ブルーヒル、モダ社のものが、とくに好きですが、
近頃はアレキサンダー・ヘンリー社の生地もよく使っています。

いつもはあまりビビッドな色味のものには惹かれないのですが
USAコットンは、なぜかカラフルなものばかり買ってしまいます。

こども用のバッグやお弁当袋をつくろうと思って購入したのですが
厚紙に生地を貼って、メッセージカードにしたら、
とてもかわいいものができました。
また、コスメポーチやペンケースなど、
ちょっとした雑貨なら大人が使っても素敵だと思います。

ほかにも、アメリカのフィードサック(穀物袋の生地だったもの)や
ドイツやチェコのレトロな生地も好きなので
いつか、それらの生地でも小物をつくれたらいいなと思っています。




刺繍のこと

ちょっとだけ時間と根気が必要ですが、
なんでもないクロスが、いっぺんに愛らしくなる方法があります。
それは、イニシャルでもモチーフでも、ちょっとしたラインでもよいので
生地に、手で刺繍を加えることです。

刺繍の技法は誰に習ったわけでもなく、
いろいろな本を読んで、自己流でやっています。
ぷっくりとした立体感や、並んだ糸が生み出す光沢、
なによりも、手づくりらしいぬくもりを感じるところが好きなので
時間をみつけては、ちくちく、刺繍を施しています。

ミシン刺繍という方法もありますが、
やっぱり手でつくるほうが味わいが出る気がするので
しばらくは、ミシンに頼らずに刺繍したいと考えています。

たくさんの図柄を刺繍するよりも、ワンポイント、
単色か、ほんの少しの色だけを使ってつくるほうが大人っぽくて好きです。
でも、こども用のものは多色使いにして
絵柄もにぎやかなほうが、楽しげな雰囲気になっていいかもしれません。

最近は、ふつうの刺繍だけではなく
生地から糸を抜いて、別の糸で縛って、
レースのような透かし模様を生む「ドロンワーク」にも興味があるのですが
技術も根気もさらに必要なため、刺繍一年生のわたしにはまだ難しくて
「いつか挑戦したいもの」のリストのなかの、ひとつです。

また、フランスやイギリスの古い刺繍図案は
見ているだけで、ため息が出るような魅力があります。
そんな図案を使った刺繍にも挑戦するのが夢です。




端切れのこと

製作過程で生まれる、たくさんの端切れ。
大きなガラスのキャニスターに入れて、保管しています。
それぞれの生地に愛着があるので、購入した値段にかかわらず
どんなに小さな端切れでも、とっておくようにしています。

手縫いのパッチワークは得意ではないので
ミシンでざっくりパッチワークして、ミトンやポーチをつくっています。
同系色、似た柄同士で合わせると、なんとなくまとまりが出て
パッチワークでも、ごちゃごちゃした感じにならない気がします。
端切れの柄合わせは“一期一会”といいますか、
その時にしかできない、世界にひとつだけの布が生まれるので
できあがったときの愛おしさも、ひとしおです。

パッチワーク以外にも、細く残った端切れに両面テープを貼って
マスキングテープ風に使ってもかわいいですし、
三角形にカットした布を紐に接着して、旗をつくって飾ると
お部屋が楽しい雰囲気に変わります。
(そうした雑貨も、いつか商品化できたらいいなと思っています)

昔は、洋服をつくっているときに生まれた端切れを
何気なく捨てていたのですが、
いま思うと「もったいないことをしてたな」と後悔しきり、です。

たまっていく端切れを眺めながら
どんなものに生まれ変わらせようかと、
日々、思い巡らせています。